「いつかは大型に乗りたい。でも大型免許は持っていないし、免許を取るための時間とお金を工面するのは大変・・・」──そんな悩みを持つドライバーは少なくありません。
今回お話を伺ったMさん(27歳)も、そのひとりでした。ハイエースでリネン配送をしていたMさんは、資格取得支援制度のある会社に絞って転職活動をし、愛知県内の物流会社に入社。入社後に大型免許を取得し、いまは大型バルク車でひとり立ちしています。
転職を決めた理由、会社選びの決め手、そして「初めてひとりで大型に乗った日」のことまで、率直に語っていただきました。
M さん(27歳・愛知県在住)
ハイエースでリネン配送(大型の乗務経験なし) → 愛知県内の物流会社 大型バルク車ドライバー
家族構成:小さなお子さん2人と暮らす
利用した制度:資格取得支援制度
日本ドライバー人材センターを知ったきっかけ:インターネット
転職前:ハイエースでリネン配送。仕事は好きでも、給料が上がらなかった

前職はハイエースでのリネン(ホテルや施設のシーツ・タオル類)配送。運転そのものは好きで、ドライバーの仕事を辞めたいと思ったことはなかったといいます。
転職を考えたきっかけは、お給料でした。
運転は好きだったんですけど、ボーナスも昇給もなくて。子どもも小さいので、この先ずっとこのままでいいのかな、という不安はありました。
もうひとつ、Mさんには以前から「いつかは大型トラックに乗りたい」という目標がありました。収入を上げるためにも、ドライバーとしてステップアップするためにも、大型免許は避けて通れない。ただ、自費で大型免許を取るのは簡単ではありません。
「資格取得支援制度がある会社」だけに絞って探した

Mさんが転職活動で真っ先に決めた条件は、入社後に大型免許を取らせてもらえる会社であることでした。資格取得支援制度の存在はもともと知っていて、それを目当てに求人を選んでいたそうです。
担当の転職サポーターはこう振り返ります。
「大型免許を取ってから大型の求人を探す」のではなく、「入社してから大型にステップアップできる会社」を軸に探したのがポイントでした。今の免許だけで求人を絞ると、大型の求人はそもそも候補に上がってきません。将来どうなりたいかから逆算したことで、選択肢が一気に広がりました。
── 担当の転職サポーター
面談で整理した希望条件は次のとおりです。
| 優先度 | 条件 |
|---|---|
| 1位 | 大型ドライバーを目指せる(資格取得支援制度がある) |
| 2位 | 日勤 |
| 3位 | できれば土日休み、または土曜隔週休み |
| 年収 | 400万円以上 |
| 通勤 | 車で20分程度まで(できるだけ自宅の近く) |
この条件で4社を提案し、その中で最も条件に合った1社への入社を決めました。
決め手は「家から近いこと」。家族との時間を大事にしたかった
資格取得支援制度がある会社の中から、最終的に今の会社を選んだ理由を聞くと、答えはとてもシンプルでした。
一番は、家から近かったことです。子どもがまだ小さいので、家族との時間はちゃんと取りたくて。通勤に時間を取られない、というのは大きかったです。
大型ドライバーというと長距離や泊まりのイメージを持つ方も多いですが、Mさんは「大型に乗ること」と「家族との時間」の両方をあきらめない選び方をしました。
「資格取得支援制度あり」の中身は、会社ごとに違う
ひと口に「資格取得支援制度あり」と書かれていても、その中身は会社によってさまざまです。入社してみて、Mさんが一番ありがたかったと話すのも、この制度のことでした。
大型免許を取るところから、会社にしっかりサポートしてもらえたのは本当にありがたかったです。
一般的に、資格取得支援制度には次のような形があります。
- 費用の一部または全部を会社が負担する
- 会社がいったん立て替え、給料から分割で精算する
- 一定期間の勤務を条件に、費用の返済が免除される
どの形が合うかは、年齢や経験、配属先などによっても変わります。求人票の「資格取得支援あり」の一文だけでは分からないことも多いので、応募前・面接時に確認しておきたいポイントです(記事の最後にチェックリストをまとめました)。
合宿で約2週間。家族の理解に支えられて
入社後、Mさんは会社のサポートを受けながら、合宿形式の教習で大型免許の取得に挑みました。期間は約2週間です。
この教習所選びには、ちょっとしたエピソードがあります。合宿で2週間通い続けると、勤務のうえでは2週間の連続勤務になってしまいます。そこで会社が、途中で自宅に帰ってこられる教習所を探してくれたそうです。
免許を取らせるだけでなく、そのあいだの働き方や体のことまで考えてくれる。Mさんが「会社にしっかりサポートしてもらえた」と話す理由が、ここにも表れています。
小さなお子さんがいる中で2週間家を空けることについても、家族の理解があったからこそ踏み切れたとMさんは話します。そして、無事に大型免許を取得しました。
免許を取る前から横乗り。取った後も横乗り。段階を踏んでひとり立ち
入社先の育成で印象的なのは、その丁寧さです。Mさんは次のようなステップで大型バルク車のドライバーになりました。
- 大型免許を取る前:先輩の大型車に横乗りして研修を受ける
- 大型免許を取得:合宿形式で約2週間
- 免許取得後:今度は自分がハンドルを握り、先輩に横についてもらって練習
- ひとり立ち:大型バルク車で、ひとりで作業まで担当
「免許を取ったらすぐひとりで大型に乗せられる」のではなく、免許の前後で2回、横乗りの期間がある。未経験から大型に挑戦する人にとっては心強い流れです。
初めてひとりで大型に乗った日

ひとり立ちの日のことを聞くと、こんな答えが返ってきました。
本当にひとりでやらなきゃいけないんだ、というプレッシャーはありました。でも、いい緊張感でスタートできたと思います。
現在は大型バルク車に乗り、運転から作業までひとりでこなしています。
職場では最年少。「すごくよくしてもらっています」
27歳のMさんは、職場で一番の若手です。
自分が一番若いんですけど、職場の方たちにはすごくよくしていただいています。
大型の現場はベテランが多いぶん、若手は大事に育ててもらえる環境だともいえます。
転職してよかった。担当の転職サポーターが熱心だった
日本ドライバー人材センターを知ったのはインターネットがきっかけ。最後に、転職活動全体を振り返っていただきました。
担当の転職サポーターさんがすごく熱心に対応してくださって、よかったです。転職してよかったと思っています。
資格取得支援制度で大型を目指す人へ:応募前に確認したい5つのこと
Mさんの事例を踏まえて、資格取得支援制度のある会社を選ぶときに確認しておきたいポイントをまとめました。
- 費用負担の範囲:会社がどこまで負担するのか、自己負担や精算の方法はどうなるか
- 返金条件はあるか:「○年以内に退職したら返金」などの条件の有無
- 教習の通い方:合宿か通学か、教習期間中の扱い(勤務扱い・給与の有無)
- 免許取得前後の研修:横乗り研修があるか、ひとり立ちまでどれくらいか
- 通勤・勤務時間:大型に乗れても、家族との時間や生活が崩れないか
これらは求人票だけでは分からないことがほとんどです。日本ドライバー人材センターでは、担当の転職サポーターが企業に直接確認したうえでご提案しています。
インタビューを終えて
インタビューの途中、私からMさんにこんな話をしました。
「ドライバーさんがいなかったら、この社会は成り立たない。だからこそ、もっとドライバーさんに焦点を当てたいし、ドライバーさんには誇りを持って働いてほしいと思っているんです」
するとMさんは、こう応えてくれました。
確かに、トラックが走ってなかったら、物流も生活も成り立たないですもんね。
この言葉を聞けたことが、私はとても嬉しかったです。現場で働くドライバーさんが、自分の仕事に誇りを持っている。そのことが何より嬉しかった。
小さなお子さん2人を育てながら、大型バルク車のハンドルを握り、誇りを持って働くMさん。正直、「めちゃくちゃかっこいいパパじゃん」と思いました。
みんなのドライバーはこれからも、社会を支えるドライバーさんに敬意を込めて、一人ひとりの声を届けていきます。
(インタビュー・文:みんなのドライバー編集部)


